2017年1月24日(火) 晴れ。
日本は連日寒波に襲われているという。
ここセブでは相変わらず夏服を着て冷房の効いたオフィスで仕事をしている。
一歩外へ出ると照りつける日差しが容赦なくアラフォーの肌を攻撃する。
さて、ここはセブ市内の某ホテルの地下駐車場の一角である。
先日、この駐車場になぞのボックスが設置されているのを発見した。
中からは電球の明かりが薄暗い駐車場を照らすように漏れている。
中を覗くと・・・
おびただしい数のタマゴ。
かすかに動いている・・・
どうやらボックスの上部に取り付けられた電球はタマゴを温めるためのものらしい。
つまり・・・孵化させるつもり?
・・・と、言っている間に
生まれている!
生まれたての純真無垢なひよこ達が潤んだ瞳でこちらを見つめながらピヨピヨと可愛い。
ひょっとしたら「刷り込み効果」で私を親だと思っているのかもしれない・・・
私がひよこ達に夢中になっているといつの間にか背後に男性が立っている。
ただでさえ浅黒いフィリピン人の肌が日焼けによってさらに黒くなっており、地下駐車場の暗がりでその姿を確認することが困難な状況だが、確実に私の背後にたたずみ話しかけてきた。
どうやらこのタマゴを管理しているらしい。
「こっちのは一週間前に生まれたやつ」
ふと、横を見ると床に置かれたバスタブのような別のボックス。
中を覗いてみると・・・
おぉ! すでに結構大きくなっている。
さすが、動物の成長スピードの速いこと!
そして、背後の男が告げた衝撃の一言。
このひよこ達の運命とは・・・
「ホテルのレストランで提供する」
なんと! 食べちゃうの・・・?
ホテルのレストランで提供するチキンがまさか同じホテルの地下で育てられているとは誰が知り得るだろうか。もはやホテル兼養鶏場・・・
しかし、生産から販売までの一連のサプライチェーンをすっ飛ばしたというか、全部自分たちでやっているとはこれほど効率的な供給方法があるだろうか。
おそらく普通に加工された鶏肉を仕入れるのと比べると、タマゴの方がコストが安いし、地下で育てておけば在庫を切らした時の発注や配送のタイムロスもないのだろう・・・
だけど、タマゴの管理から餌の費用など、成長するまでにかかるランニングコストと考慮しても本当に安上がりなのだろうか・・・?
こればかりはフィリピン人のことなのでそこまで計算されているのか怪しいところだ。
真相はこの地下駐車場のように闇の中・・・
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