2017年6月21日(水) 晴れ
歯に衣着せぬ物言いとジャイアン的振る舞いで、フィリピン国内のみならず世界から注目されるドゥテルテ大統領。
そんなドゥテルテさんが大統領になってから、日本でもフィリピンに関するニュースが以前より注目されるようになった。
そのため、旅行や留学でフィリピンに行こうと考える人も増えてきた。
そこで気になるのが、現地の『治安』。
連日、ミンダナオ島に侵入した IS の武装勢力と政府軍との戦闘が続き、マラウィ市が壊滅的な状態になっていることが報じられている。
民間人の犠牲者も後を絶たない。
『留学生や旅行者が多く訪れるセブはどうなのか?』
という疑問が湧いてくるのも当然のこと。
セブは今日も何事もないかのように、ごく普通の『日常』の時が流れています。
(いつもと変わらぬ様子のセブ市内のコーヒーショップと窓から望む街の様子)
『なあんだ、セブは平和じゃん』
・・・いや、それは、ちょっと違う。
そもそも、セブはそんなに安全な街じゃない。
この認識は持っていた方が良い。
街には、仕事もせずにシャブでラリっているタンバイが拳銃を隠し持った状態でゴロゴロ溢れているし、交通ルール無視で暴走している車やバイクがいつでも歩行者への凶器となり得る。
テロリストがいてもいなくても命の危険と常に隣り合わせ、それがセブだ。

こちらは、外務省のホームページに記載されているフィリピンの安全情報を色分けで示したもの。
フィリピン全土が黄色やオレンジに染まっている。

こちらが色分けの解説。
フィリピンは危険度『レベル1』〜『レベル3』に分類されているのがわかる。

IS との戦闘が続いているミンダナオ島西部・マラウィ周辺は『レベル3(渡航中止勧告)』だ。
一方、セブ島は『レベル1』。
『ちゃんと注意して無茶なことしないでね』というレベルだ。
『やっぱりセブは大したことないじゃん』と思うかもしれない。
しかし、他の国と比較してみると・・・

例えば、近くの台湾は全土が真っ白。
つまり何も警告は発せられていない、治安については問題ない国(※日本政府は台湾を国家とは認めていない)ということ。
こうしてみると、フィリピンそのものがあまり安全な国ではないということが認識できる。
【現地でできる安全対策】
正直、セブに限らず海外では自分の身は自分で守らねばならない。
日本国政府は、何かことが起こらない限り邦人の援助に乗り出すことはない。
これは、日本国憲法第22条を根拠として、『海外渡航の自由』が保証されている以上、海外での行動は個人責任であり、日本国政府が過度に手を出せないからだ。
その代わり、パスポートに次の文章を添えている。
「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。日本国外務大臣(公印)」
要するに『なんかあったら、よろしく!』と渡航先の国にお願いしているのだ。
では、現地ではどのように振舞うべきか。
- 常に危険な行動を避ける。
- 「慣れた」と思って過信しない。
- 容易に現地の見知らぬ人を信用しない。
まあ、ごく当たり前のことですが、結構現地生活が長いほど慢心してしまいがち。
もう自分で注意するしかないのだ。
【絶対はずせない備え】
では、いざ何かテロや戦争など不測の事態が発生してしまった場合、どうなるのか。
その時は、日本政府が邦人の保護のための行動を起こす。
でも、政府がどこに誰がいるのか把握していなきゃ、保護しようにもできない・・・
そのため、旅券法第16条により、3ヶ月以上海外に滞在するものは現地の大使館・領事館に『在留届』の提出が義務付けられている。
これ、意外と知らない人多いのよね・・・。
もちろん、3ヶ月未満の滞在でも提出して構わない。
そうすると、緊急事態発生時に大使館からのメールでの情報が届いたり、迅速な援護が受けられる。
私が英国に住んでいた頃は、メールかファックスでしか受け付けていなかったけど、今では外務省のホームページから申請できる。便利。
ORR net: 在留届電子提出システム
以前、セブの日本領事館との会合で領事からの次のようなお願いがあった。
『在留届出せなくても、せめて<たびレジ>の登録はやってほしい』
たびレジたびレジは、海外旅行や海外出張される方が、旅行日程・滞在先・連絡先などを登録すると、滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メール、また、いざという時の緊急連絡などが受け取れるシステムです。現在海外にお住まいの方も、別の国へ旅行や出張する際にご利用ください。(外務省ウェブサイトより)
たびレジ:たびレジ登録ページ
備えあれば憂いなし。
しっかり注意して無茶をしなければ、セブでの語学留学も旅行も十分有益なものとなる。
ちなみに日本国外務省は、在外邦人に『最低限必要な安全対策』の指南役として、その道のスペシャリスト、デューク東郷(ゴルゴ13)に安全対策マニュアル作成を要請したという。
マニュアルはこちらからダウンロードできる。
興味のある方はどうぞ。
ダウンロード:
「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」
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