2018年1月8日(月) 晴れ
先週末、某韓国型語学学校のフィリピン人校長から夕食のお誘いがきた。
彼女は昨年の12月から約1ヶ月に渡り、オランダへ旅行に出かけていたのだが、ちょうど連絡を受けた日の朝に帰国したようだ。
彼女にとっては初めてのヨーロッパ。
とても良い経験をしたようだ。
フィリピン人にとって海外渡航はハードルが高い。
そもそも、パスポートの申請に非常に時間とお金がかかる。そして、申請がリジェクトされることも多いという。
そして、フィリピンのパスポートでは渡航できる国が限られる。大抵の国はたとえ短期間の旅行でもビザの申請が必要だ。
今回、彼女にとって幸運だったのは、かつての同僚であるオランダ人の友人が渡航費用から現地の宿泊費、行動費を全て出してくれたという。
ずいぶん親切な友人がいたものだ。
ちなみにその友人は男性だという。下心があったのかもしれない。
オランダだけでなく、ドイツやベルギーも訪れた彼女。
帰国した彼女にヨーロッパの感想を聞いてみたところ、興奮気味に現地の素晴らしさを力説していた。
『でも、オランダで仕事するのは難しそう。オランダ語を習得する自信がない』
そう、彼女は言う。
しかし、
『でも、オランダやヨーロッパに住みたい』
なんでも、ヨーロッパはとても暮らしやすい環境だと思ったようだ。
インフラが整っていることはもちろん、現地の住人などすべてが洗練されていると感じた様子。
『横断歩道を渡ろうとしたら、クルマがちゃんと止まるのよ!』
彼女は興奮気味にそう伝えた。
いや、それ普通だから・・・
『うん、でもフィリピン以外の国ではそれが普通だよ』
そう言うと、彼女は OFW が帰国したがらない理由に気づいたようだ。
OFW とは:
Overseas Filipino Workers の略。海外に出て働くフィリピン人のこと。彼らはフィリピンの外貨獲得に大きな役割を担っており、フィリピン政府も海外で働くことを推奨していた。ちなみに親戚に OFW がいるのはフィリピン人にとって「最強」であり、現金や電化製品など様々なものをおねだりし放題であり、基本的に OFW は親戚からのリクエストを断れない。
そう、フィリピン人は一旦フィリピンの外に出ることで、自分たちの国がいかに異常なのかについて初めて気がつくのだ。
そうして、現地の永住権を取得するのに奔走する。
今回の彼女もいままで当たり前のように暮らしていたセブの街が、いかに異常で、地獄のようだったのかと思い知ったようだった。
よくフィリピン人と話すと「なぜ日本のような国を離れて、わざわざフィリピンなんかで暮らしているのか」と訊かれることがある。
いや、本当その通りだ。日本の方が圧倒的に環境はいい。
しかし、そんなフィリピン人たちは幸福度ランキングで世界3位だという。
楽観主義の彼らは自分たちのことを幸福だと思っているようだ。
フィリピンは環境は厳しいが、自由度が高いゆるい国でもある。
先進諸国では社会の発展のために個人個人が犠牲を払っている部分もある。
そんな国ではストレスも多い。家族より仕事を優先せざるを得ないことも多い。
そんな環境でフィリピン人が耐えられるだろうか?
結局、どちらがいいのかは人それぞれかもしれない。
実際、もう日本には帰りたくないと思っている日本人も多い。
「無い物ねだり」
究極のところは、そいういうことかもしれない。
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