2018年6月21日(木) 晴れ
「美味しいビールを飲みたい」
「気になっている店があるので行ってみませんか?」
先週、ある日本人ご夫婦からこんな提案をいただいた。
ビールが飲める集いを断る理由はない。むしろこちらからお願いして参加したいくらいだ。
「セブにアイリッシュパブがあるんですよ」
そう、そのご主人はアイリッシュパブに行きたいのだ。
私もその店の存在にはかなり前から気づいていた。しかし、あまり風紀の良くないマンゴーストリートにあるため、興味があってもあまり行こうと思わなかったのだ。しかし、今回は一緒に行ってくれる人がいるので安心だ。
「夜7時まではハッピーアワーらしい」という情報を入手した我々は、夕方5時にフエンテのロビンソンモールに集合しパブへ向かった。
こちらがそのアイリッシュパブ、「 Marshall’s Irish Pub 」だ。
こじんまりとした佇まい。交通量の激しいマンゴーストリートにひっそりと店を構えている。
以前、英国に住んでいた頃は、 Pub 文化の本場の習わしに従い食後は毎晩パブへ出かけていた。各ブロックに必ず大小様々なパブがあり、行きつけの店(英国では行きつけのパブのことを「Local」と言う)へ行くと必ず顔見知りに出会い、パイントを交わしながら会話に花を咲かせたものだ。私の英語力はパブで身につけたと行っても過言ではない。
夕方5時の店内はまだ客もまばらで静かである。
店内の照明がアイルランドのシンボルカラーであるグリーンで照らされていて、何もかもが緑色に見える・・・
通りに面した屋外の座席ではすでに数人の白人がビールを飲んでいる。
早速、我々はテーブルを陣取りカウンターでビールを注文する。
なにせ「ハッピーアワー」なのだ。どんどん頼まなければ!
パブの定番メニュー、「 Fish & Chips 」を食べる。
しかし、照明のせいで食べ物が緑色にしか映らない。全然美味しそうに見えない・・・
ご一緒したご主人も現役時代は海外出張で英国へ行き、現地のパブを楽しんだそうだ。
ハッピーアワーは確かにビールが安く飲めるのだが、対象となるのはフィリピンでお馴染みのサンミゲルばかり。
せっかくなのでアイリッシュ・ビールの代名詞であるギネスビールを飲みたい。
今回一緒に参加した二十歳の日本人青年はギネスを飲んだことがないという。
「ギネスビールある?」
「もちろん」
店員に確認し、ギネスをオーダー。
しかし、やってきたのは缶ビールだった。
そうか・・・サーバーから注いでくれる訳ではないのか。フィリピンでは入手できないのかもしれない。
余談だが様々な世界記録を記載する「ギネスブック」はギネスビールがビールの宣伝のために出版したものである。
ビールを楽しんでいると、店内で生演奏が始まった。
パブの雰囲気にあった心地よいオールドナンバーをたくさん弾いてくれた。セブのバーではいつも流行りの米国ポップやダンスナンバーが大音量でガンガン流れるので辟易するのだが、このパブは快適だ。
すでに出来上がったブリティッシュ・アクセントの白人男性がミュージシャンの横で踊りだす。どうやらパブを楽しんでいるようだ。正しいパブの過ごし方である。
丁度この日はワールドカップの韓国vsスウェーデンの一戦が中継されていた。
そうそう、サッカー中継はパブで見るものだ。
試合が始まると隣のテーブルに金髪の白人美女たちが数人やってきた。どうやらスウェーデン人のようだ。セブにスウェーデン人っていたんだね・・・
夕方5時から飲んでいた我々は、サッカー中継の途中ですでにかなりイイ感じにほろ酔い気分になっていた。
そろそろ帰ろう。でもビールでほろ酔いになったら締めのラーメンが食べたくなる。
と、思ったらすぐ隣にラーメン屋があった。なんという完璧なコンビネーション!
我々は塩味のきいたスープと麺を啜りながらその夜の楽しいひと時を過ごした。
今までなかなか行く機会がなかったが、行ってみたら意外と楽しかった。
南国のセブに居ながらにして欧州の雰囲気を感じながらビールを飲む。
これは癖になりそうだ。
別れ際、我々は再びこの店で会うことを約束して家路に着いた。
次回はいつになるだろう。
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