2019年2月15日(金) 曇り
フィリピンと聞いてイメージするものと言えば、南国のリゾート地やマニラの喧騒、笑顔あふれるフィリピン人たち・・・。
そんなフィリピンだが、そもそもフィリピンという国名はスペインの植民地時代に当時の皇太子フェリペ(後のフェリペ2世)から取られたというのはよく知られた話。私は高校時代に世界史の授業でそのことを習って「へえ!」と思ったものだった。
ところが、そのフィリピンという国名が変更される日が来るかもしれない。

我らがお騒がせ大統領、ミスター・ドゥテルテが先日「そろそろ名前変えない?」と語ったという。
President Rodrigo Roa Duterte and Laotian President Bounnhang Vorachith pose for a photograph during a courtesy visit at the Presidential Palace in Vientiane, Laos on September 7. TOTO LOZANO/PPD
実際、フィリピンは1571年から300年以上、フィリピンの植民地として支配された歴史を持つ。その後はアメリカの植民地支配も受け、「植民地」として常に支配される歴史を歩んできた。
私が初めてセブにやって来た時、フィリピン人たちが話すビサヤ語にたくさんのスペイン語の語彙が混じっていることに気づいた。それだけスペイン支配の影響が言語や文化にも影響を及ぼして来たということなのだろう。
しかし、実際にフィリピン人たちにそのことを指摘しても彼らは自分たちが話している語彙がスペイン語と同じということに気づいていないようだった。ちょうど日本人が「お転婆」とか「金平糖」のことをオランダ語やポルトガル語だと指摘してもピンとこないのと同じだろう。

今回の国名変更の議論は、そんな植民地根性からの脱却を意味しているようだ。
しかし、その肝心の新国名はどうなるのだろう?
その点についてドゥテルテ大統領はこう語っている。
“Actually, tama si Marcos. Panahon ni Marcos, tama talaga si Marcos. Gusto niya palitan [ng] Maharlika, the Republic of Maharlika because maharlika is a Malay word and it means more of a concept of serenity and peace,”
実際、マルコスは正しかった。彼はマハルリカ共和国に変更することを望んだ。何故ならマハルリカはマレー語で静けさや平和以上の概念を意味するからだ。
なんと、新国名の候補は「マハルリカ共和国」というらしい。
「マハルリカ」はマルコス独裁政権時代の1978年に一度検討されたという。しかし、当時は結局国号を変更することは実現せず、議論も立ち消えになったという。
しかし、マハルリカ(Maharlika)とはどういう意味だろうか? 大統領は「静けさと平和」とか言っているけど本当だろうか?
念のため Tagalog-Dictionary.com というウェブサイトで調べてみると、「majestic(威厳のある)」や「noble(高潔な)」という意味が出て来た。これぞフィリピン人のプライドの現れと言えるだろう。

しかし、実際にフィリピンの国名を変えるのはどれだけの実現世があるのだろうか。いくら大統領が変えたいと言ったところで、一人でこの重大なことを決定することはできない。
国名を変更するには議会での法律の制定が必要だし、国民投票も必要だという。それに、「フィリピン共和国」と表記された政府機関の刊行物に建物、紙幣などの貨幣、その他諸々の表記も全て変更しなければいけない。その時間も予算も莫大なものとなるだろう。
そう考えるとすぐに国名が変更されることはなさそうだ。
ところで、フィリピン人たちは本当に植民地だった歴史を恥じているのだろうか? むしろフィリピン人の中にはスペイン人の血が入っていることを自慢げに話す人もいる。それだけでなく、外国人とのハーフであることを誇っている人もいるわけで、国名だけ変えたところで植民地根性は治らないかもしれない・・・



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