2020年5月24日(日) 晴れ
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はじめに断っておくと、この記事はビサヤ語の習得方法を述べるものではない。
セブでの5年間生活して、現地のローカル言語であるビサヤ語を話せるようになったかというと甚だ怪しい。せいぜい、売店やレストランで店員やタクシーの運ちゃんとの会話が成立するくらいだ。
日本に帰国してもうすぐ丸3ヶ月。
外国語を一切必要としない生活にどっぷり浸かってしまっている。
しかし、先月からオンラインで公開英語講座の講師をやっている関係で、実家においてある文法書を漁っていたら、庭の物置から学生時代の語学系教科書が出てきた。
高校時代の漢文のテキストと大学時代の日本語学概論+フランス語。
私は歴史好きなので、よく地元の歴史などを調査するのに図書館で古文書を調べるのだが、純正漢文で書かれている資料も多く、漢文の知識が必要だ。
そして、英国にいた頃はフランス人上司のもとで働き、会議もフランス語で行われていたので多少理解できる。(一応、仏検保有)
そう、外国語=英語の時代はとっくに終わっていたのだ。
5年前、セブに移った当初、現地ではビサヤ語(セブアノ語)が話されているという事実すら知らなかった。
「ビサヤ語なんて学ぶ意味ないですよ」
セブ渡航当初、現地ですでに10年暮らしている先輩日本人在住者からそうアドバイスされた。
確かにフィリピン国内、それもビサヤ地方周辺でしか話されていない言語は汎用性が低い。それに英語を話せる身としては、英語だけで十分と考えてしまう。
しかし、世界人口の75%は英語を話さない。
セブでもシティから離れて遠隔地に行けば行くほど英語を話せないローカルフィリピーノたちに出くわす。
私は、折角フィリピンという異国の地で暮らしながら日本人コミュニティの中だけで交流を持つことを潔しとせず、フィリピン社会に溶け込んで地元のフィリピン人たちと共に暮らしたいと考えていた。そのためには現地のローカル言語の習得はアドバンテージとなる。
「IT技術の進歩で外国語習得はいずれ不要となる」
巷ではよくそう言われている。
しかし、いまのところまだその時代は到来していないようだ。
私自身、翻訳業務で翻訳ソフトの力に頼ってきたが、機械翻訳ではまだ不自然な翻訳結果が現れることがしばしば。
実は、あの Google 翻訳にも「セブアノ語」の選択肢がある。(「ビサヤ語」はない)
私自身、見慣れぬ単語やフレーズに出くわすと「セブアノ語←→英語」で翻訳機能を使うことがある。しかし、長文を翻訳しようとするとまだまだ不自然な翻訳結果となってしまう。
「セブアノ語←→英語」でそうなのだから、「セブアノ語←→日本語」ではその精度がさらに低くなる。ビサヤ語の個人レベルでの学習はまだ必要のようだ。
しかし、語彙だけに関して言えば、ビサヤ語はさほど難しくない。
私がセブで初めてビサヤ語を耳にした時、なぜか大体の意味が理解できた。
それは、ビサヤ語の語彙にスペイン語の借用語が多いからだ。
日本人留学生が現地で真っ先に覚える「Gwapo、Gwapa」はそのままスペイン語の「Guapo、Guapa」の借用語だし、「〜できる」を意味する「Pwede」もスペイン語の「Poder」の三人称単数系「Puede」からと思われる。「まっすぐ=Derecho」とか「Kumusta?(元気?) = Como esta?」とか、文字ではなく耳で聞くとそのままスペイン語とほぼ同じものばかり。
印欧語のロマンス諸語のどれかを学んだことのある人なら、ビサヤ語の語彙習得のハードルは決して高くない。
ちなみに私がセブ在住時は、一日50単語を覚えることを日課としていた。
よく利用していたのはこちらのウェブサイト:
http://www.bisdaktionary.com/
ビサヤ語の体系だったテキストを見つけることは難しいが、ウェブ上には(特に英文で書かれたページでは)ビサヤ語の文法をわかりやすく解説したものも多い。
YouTubeでビサヤ語のフレーズを紹介しているものもあるし、何よりセブに住んでいれば生きたビサヤ語に接する機会がいくらでもある。
よく、「英語だけで手一杯なので・・・」とビサヤ語習得を諦める人の声を聞くことが多いが、私にはその考えがよく分からない。
ひとつの言語を習得する労力とふたつ以上の言語を同時に習得する労力は大して変わらない。むしろ、英語を使ってビサヤ語を勉強すれば、どちらも上達するので一石二鳥だ。
ただ、言語学習において最も重要なのは「モチベーション」だと思う。
ビサヤ語を習得してどうなりたいのかのビジョンが見えていないと、学習意欲が沸かないかもしれない。
フィリピン人の結婚相手を見つける、ビジネスを立ち上げる、目的はなんだっていい。
あなたがセブに長期滞在するつもりなら、英語と一緒にビサヤ語も学んでみよう。
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